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川森俊人医師インタビュー

川森俊人医師インタビュー

がんと向き合い続けた研究者として、
予防の重要性を伝えたい

現代医療の根幹となる研究に
明け暮れた日々

小松:先生は、ハワイ大学のがんセンターで教授をなさっていたそうですね。やはり、がんに関する造詣が深くていらっしゃるんでしょうね。

川森:もともと私は、母校の岐阜大学医学部附属病院第一内科に所属して5年間、消化器内科の医師として診療をしていたんです。その後は大学院の第一病理で、主にがん予防の研究をし論文もいくつか発表しました。大学院を修了後も、日本やアメリカでがんの研究を行ってきました。医師になって30年、その半分以上が、がんに関する研究だったと言ってもいいかもしれません。

小松:どのようなきっかけで、がんの研究に取り組むことになられたのですか。

川森:大学病院で消化器内科の医師として大腸ファイバースコープ、内視鏡検査をしていたのは今から30年くらい前です。当時から感じていたのが、大腸のポリープ(隆起性病変)の中には、悪性化するタイプとそうでないタイプがあるんじゃないかということでした。

小松:今は、そういわれていますよね。

川森:ええ。でも当時は、ポリープを見つけたらとりあえずとりましょうという時代でした。基本的には今でもそうですし、僕もそうは思っていました。けれども当時からいちばん考えていたのは、悪性になるポリープとそうならないものを、何らかの手法で、判別できないかということでした。そのことを、たまたま知り合いの病理の先生に話をしたら、「だったら大学院に来ないか」と言われたんですね。それで岐阜大学大学院の医学研究科第一病理に行ったんです。大学院では、人体病理の勉強から腫瘍の発生など形態学からアプローチできることを行っていましたが、研究としては主にがんの予防の研究をしました。色々な部位にがんを発生させる動物モデル、マウスとかラットを使ってさまざまな食べ物からの抽出物や化合物を投与し、がんの発生を遅らせることができないかという研究です。ナチュラル・オカリン・プロダクト(natural occurring products)といって、天然の食材から抽出したもの、たとえばキャベツのイソチオシアナート、トマトのリコピンといったものを投与して、動物のがんの発生を検討していました。そういう研究を一生懸命やっていました。

小松:面白い研究ですね。成果はいかがでしたか。

川森:実際に色々な物質の投与によって、大腸がん、舌がん、肝臓がん、膀胱がんの発生が遅れることが分かりました。大学院にいた4年間、自分で書いた論文が、キャンサーリサーチ(Cancer Research)や日本癌学会の雑誌など世界的に有名ながん研究雑誌に、6つか7つ、掲載されました。大学院を修了後も、アメリカで博士研究員として研究を続けました。その頃、アメリカではアスピリンをたくさん飲んでいる人は大腸がんの発生が少ないという疫学のデータが発表されました。痛み止めなどに用いられる非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の中でもポピュラーなアスピリンですが、ハーバード大学にアスピリンの疫学のデータがあって、心筋梗塞などの心臓病をアスピリンが予防するのではないかということがきっかけでした。

小松:治験によるデータがあったのですね。

川森:そうです。アスピリンをたくさん飲んでいる人と、少ない人、そして全然飲んでいない人で、どういうふうに心臓疾患、狭心症や心筋梗塞が起こるかというデータです。もともとは心臓がメインですから、アスピリンが心筋梗塞を予防するかどうかというデータだったのですが、面白いことにあとで調べてみたらアスピリンを内服している人に大腸がんの発生が少なかったんです。つまり、アスピリンは大腸がんを予防していたのです。「じゃあ、なぜアスピリンに代表される非ステロイド性消炎鎮痛剤が大腸がんを予防するんだろう」というテーマで動物実験をしていました。この頃、非ステロイド性消炎鎮痛剤による大腸発がん抑制の主なメカニズムは、アラキドン酸カスケードの律速段階酵素(cyclooxygenase-2, COX-2)の阻害によるのではという仮説がありました。私は、その阻害剤による動物実験を行っていました。実験結果は、その仮説を証明するもので、世界で初めて論文として、キャンサーリサーチ(Cancer Research)に発表したのは私なんです。

小松:今ある医療のエビデンスを、最初に発表されたのですか!

川森:その論文が発表された頃に築地の国立がんセンターから呼ばれまして、それで日本に帰ってきたんです。それが1998年のことです。京都大学や製薬会社とコラボレーションして、研究を続けました。大腸がん発生のメカニズムを、ノックアウトマウスという遺伝子操作によって遺伝子を欠損させたマウスを使って、責任遺伝子を解析し研究しました。アラキドン酸カスケードの律速段階酵素のCOX-2の上流と下流をメインに解析し、いくつかの論文としてまとめました。

がんの発生リスク低減にも有効な、
免疫療法を知ってほしい

小松:国立がんセンターで、研究をされていたのですね。

川森:国立がん研究センター がん予防研究部の第一予防室長として約4年半、チームのみんなとがんばって研究していました。私は診断もしたかったので、1999年からは中央病院の臨床検査部の病理部と併任させてもらって、実際に診断、および病理解剖もやっていました。ただ、研究をやればやるほど、自分のラボを持って、自由に研究をやりたくなりました。ちょうどその頃、チャールストンにあるサウスカロライナ医科大学(Medical University of South Carolina, MUSC)から来ないかと言われたので、再渡米し、チャールストンに行ったのです。

小松:それは、いつのことですか。

川森:2002年です。ファカルティ(Faculty)として主に大腸がんを抑制するメカニズムの研究をしました。ちょうど運良く、私がMUSCに赴任した頃に、生化学部の部長のDr. Yusuf Hannunの教室で、スフィンゴ脂質がアラキドン酸カスケード、特にCOX-2を制御していることを見出しました。それで、彼らと共同研究をやらせてもらって、スフィンゴ脂質代謝と大腸発がんをメインテーマに研究を進めました。さまざまな可能性を分析し、ノックアウトマウスなどの遺伝子改変動物を用いて研究や実証を重ねて、データを積み上げ、論文化し、グラント(研究費、grant)申請をしました。MUSCには、8年間いました。その間に、いくつかのグラントを取得してテニュアトラックのアシスタントプロフェッサーになったのです。ところが、縁があって、ハワイ大学のキャンサーセンター(University of Hawaii Cancer Center, UHCC)からリクルートされまして。

小松:先生の研究が評価されたのですね。

川森:私は、NIHというアメリカの厚生労働省のようなところから研究費(R01 grant)をもらって研究をしていました。このR01 grantを保持して研究していることがアメリカでは、ちゃんとした研究者、一人前のscientistとして評価されます(R01 grantの採択率は10%弱、非常に獲得するのが難しい)。ちょうど、この頃、UHCCはセンターグラントの更新があり、このR01 grantを持っている研究者が必要で、私はUHCCにリクルートされたのです。UHCCは歴史が古く、移住した日本人のデータがたくさんあるんですね。日本人はもともと胃がんが多く、大腸がんが少ないですが、ハワイに移住した日本人は胃がんが減って大腸がんが増えてきた。つまり、生まれ持ったジェネティックバックグラウンドではなく、食生活が変わることによって、がんの発生が変わってくる。UHCCには日本人だけじゃなく、他の民族の疫学のこういうデータがたくさんあります。

また、ハワイはご存知の通り、周りは海でサンゴ礁などもたくさんあります。海洋資源が豊富です。ハワイ大学の生化学部の先生たちは、そのサンゴからの抽出物を生成し、分離しサンプリングしていました。この中に私が興味を持っていたスフィンゴ脂質関連の酵素の阻害剤になるようなものがないか、調べたいと思いました。私は、そこでもラボを運営し、これらのデータに基づく研究をしていたんです。残念ながら日本に帰国したことで私のラボはクローズしてしまいましたが、研究は学生や後任者が引き継いで続けてくれているはずです。

小松:本当に、グローバルにがん研究を行っていらした。その成果が、今のがん治療の一翼を担っているのですね。

川森:今でもがん治療は、患部を切除するという発想ですけれどね。でも基本的には、できればがんが発生しないのがいちばん良い。元がん研究所所長の北川知行博士が言っていた、天寿がんという概念ですか。要するに死んでからがんになる(笑)、だったら、がんになっても良いじゃないかという考え方ですね。つまり50歳で発症する胃がんが、100歳、110歳になってゆっくり発症すれば、何も問題がないんじゃないかなというのが、基本的な考え方です。

小松:先生は、がん予防や抑制の研究もされていたのですものね。

川森:はい。ただ、現実的には動物実験での実績を人間に外挿するのは非常に難しい。まず、基本的な容量が全然違います。たとえば、お茶に含まれるエピガロカテキンに関して、動物実験のデータでは有効であるけれども、じゃあ人にあてはめたらどれくらい摂取すればいいかという数値を出すと、現実的な量じゃない。それから、そもそもの食生活の違いもあります。人間はかなりの雑食動物で、実験動物のように食べるものが一定ではありません。ですから実験では想定されない、いろんなことが起こり得るんですね。

小松:なるほど。そうですね。

川森:なおかつ、もっとひどいのはストレスです。ストレスに左右される可能性が、何よりも高い。ですから動物実験の結果を人間に外挿するのは、非常に難しいのです。それでもできれば、がんを予防というか、先送りできるのがいちばん良いと思っています。ですから免疫力を高める免疫療法は、将来のがん発生リスクを低くする予防策としても有効だということも、皆さんに知っていただきたいですね。

※本インタビューにおいて、掲載されている施設への受診及び治療を推奨するものではありません。

聞き手:ノンフィクション作家 小松成美

【経歴】

真摯な取材、磨き抜かれた文章には定評があり、数多くの人物ルポルタージュ、スポーツノンフィクション、インタビュー、エッセイ・コラム、小説を執筆。

第一線で活躍するノンフィクション作家。

1962年、神奈川県横浜市生まれ。日本大学藤沢高等学校卒業。専門学校で広告を学び、1982年毎日広告社へ入社。放送局勤務などを経たのち、作家に転身。

生涯を賭けて情熱を注ぐ「使命ある仕事」と信じ、1990年より本格的な執筆活動を開始する。

 

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