高齢者進行肺扁平上皮がんへのニボルマブ (抗PD-1抗体)初回治療、継続審議に 先進医療合同会議

先進医療合同会議

【2017年05月15日】
厚生労働省の先進医療会議と先進医療技術審査部会の合同会議は2017年5月11日、九州大病院が申請した先進医療Bの「高齢者進行肺扁平上皮がんに対する初回治療としてのニボルマブ単剤療法」を継続審議としました。構成員から先進医療の枠組みで実施すべきか疑問の声が上がり、試験実施計画の見直しを求めることとしたものです。

同技術は70歳以上で化学療法未治療の切除不能な進行または再発の肺扁平上皮がん患者に対し、1次治療としてニボルマブ単剤療法を施すものです。PD-L1の発現率は患者の選択基準としていません。標準治療のドセタキセル単剤療法を対照とし、1年生存割合を主要評価項目としました。試験期間は3年で、症例数は56例の予定です。

先進医療会議で事前評価を担当した横井香平構成員(名古屋大大学院教授)は、日本肺癌学会の2016年版の診療ガイドライン(GL)を説明し、試験の妥当性に疑問を示しました。GLでは
①PD-L1発現50%以上であれば、70歳以上の患者での標準治療はペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)
②PD-L1発現50%未満で、70歳から75歳未満の患者の標準治療はプラチナ製剤併用化学療法
③PD-L1発現50%未満で75歳以上の患者の標準治療は第3世代抗がん剤(ドセタキセルなど)単剤療法―が推奨されており、②の集団はすでに実施された試験でニボルマブ(抗PD-1抗体)の優越性は否定されていると指摘しました。また、倫理的に問題があるとしました。

技術審査部会で事前評価を担当した藤原康弘構成員(国立がん研究センター企画戦略局長)も最新のGLで標準治療が示されているとし、対象患者の設定を変更すべきではないかと指摘しました。併せて、化学療法未治療患者への適応拡大の可能性がある同試験は、本来は企業が治験を実施すべきではないかとの考えも示しました。他の委員からも有効性に懸念を示す意見があったようです。

このように保険診療の枠組みの中にある先進医療でもニボルマブ(抗PD-1抗体)の投与は難しいです。ニボルマブ(抗PD-1抗体)をいち早く投与するには、保険診療外の自由診療でやるしか方策がないのが、今の日本の現状です。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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