サイラムザ:胃がんに使える初の血管新生阻害薬!

サイラムザ:胃がんに使える初の血管新生阻害薬!

【2015年6月29日】
2015年6月22日、抗悪性腫瘍薬ラムシルマブ(商品名サイラムザ点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg)が発売されました。適応は「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」で、2週間に1回、8mg/kgをおよそ60分かけて点滴静注するものです。

日本において胃がんは、年齢調整罹患率ががん全体の第1位を占め、最も発症頻度が高いがんです。2012年の胃がんによる死亡数はがんによる死亡原因の第2位であり、1975年以降、毎年5万人前後が胃がんによって死亡しています。

日本や多くのアジア諸国では、進行胃がんの一次化学療法としてプラチナ製剤を含む2剤併用療法が行われていました。具体的には、シスプラチン(商品名ランダ、ブリプラチン他)と、フルオロウラシル(商品名5-FU他)またはドキシフルリジン(商品名フルツロン)などのフッ化ピリミジン系経口薬剤との併用療法が行われています。

一次で治癒できず二次化学療法に至る患者様に対しては、日本胃がん学会「胃がん治療ガイドライン第4版」(2014)でドセタキセル(商品名タキソテール、ワンタキソテール他)、イリノテカン(商品名トポテシン、カンプト他)、パクリタキセル(商品名タキソール他)の投与が推奨されています。しかし、二次化学療法に至る患者は多く、更なる新規薬剤の登場が期待されていました。

近年、進行胃がんの新しい分子標的治療薬としてトラスツズマブ(商品名ハーセプチン)が臨床使用されるようになったものの、トラスツズマブは抗ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)陽性患者にその使用が限定されています。

ラムシルマブは、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)に対する遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1モノクローナル抗体で、日本では胃がんに対する初の血管新生阻害薬です。

本薬は、受容体型チロシンキナーゼであるVEGFR-2の活性化を阻害することで、内皮細胞の増殖、遊走および生存を阻害し、腫瘍血管新生を阻害する作用を有しています。抗悪性腫瘍効果を示すVEGFR阻害剤としては、大腸がんなどに対してベバシズマブが2007年6月から使用されています。

治療歴のある進行胃がん患者を対象とした、本薬とパクリタキセル併用投与による国際共同第3相無作為比較試験(RAINBOW試験)や本薬単独投与による外国第3相無作為比較試験(REGARD試験)において、二次化学療法での全生存期間と無増悪生存期間の有意な改善が認められました。

上記2つの臨床試験からは、主な副作用として疲労/無力症、好中球減少症、白血球減少症、下痢、鼻出血、腹痛、高血圧などが、重大な副作用として動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、Infusion reaction、消化管穿孔、消化管出血などが報告されています。

本剤と免疫療法の併用で、進行胃がんの制御と元気な余命延長が可能になるかもしれませんね。期待が持てる薬剤の一つです。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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