培養士の技術力がもたらす、がん治療革新

培養士の技術力がもたらす、がん治療革新

【2017年07月17日】
NK・T細胞を用いる免疫療法では、患者様本人のNK・T細胞を採血によって体外に取り出し、培養室で培養して数を増やしてから、再び体内に戻すという手順になります。
取り出したNK・T細胞は容器に入れて寝かしておけば勝手に増えるというような単純なものではなく、その培養には高い技術が必要です。当院では細胞培養歴13年のベテランを筆頭に、4人の培養士が質の良いNK・T細胞を安定的に生産・供給できる体制をとっております。

「NK・T細胞はとても繊細で扱いの難しい細胞です。特に細胞が増え始めるまでの初期段階が最も神経を使います」
NK・T細胞の数や活性度は個人差が大きく、また同じ人でもその日の体調によって、数や活性度が異なります。
特にがん患者の場合は、それまでに受けてきた治療による影響も大きく、抗がん剤や放射線治療で体が弱っていると、NK・T細胞も少なく元気が無い場合もあります。

「反応が悪く細胞が増えにくい場合には、培養液の濃度を高くして活性化のスイッチを入れてやる必要があります。濃度が高すぎたり、タイミングを誤ったりすると、最悪は細胞がすべて死滅してしまいます。この見極めが一番の難所です」
個体差があるので、どの検体にも通用するマニュアルはなく、培養士には経験とセンスが不可欠になってきます。

高性能の培養液や培養バッグを使用

高性能の培養液や培養バッグを使用

細胞を浸す培養液には各種ホルモンが入っていて、その刺激によってNK・T細胞が活性化し増えていきます。
培養液のホルモンの配合や濃度などが異なると、細胞の増え方も違ってきます。

「このバッグは、"世界でもっとも優れた培養バッグ"といわれています。一見すると普通の樹脂製の袋のように見えますが、酸素は通しながら水分は通さない素材でできており、入口には気密性を保つ工夫が施されています。それにより、pHの調整が可能になり、かつ雑菌の混入も防ぐため、一般的なフラスコでの培養に比べて培養量が増えます」
さらに、この培養バッグには半分に折り曲げることができるという特徴がある。半分にすることでバッグ内の容積が小さくなり、NK・T細胞と培養液内のホルモンの接触頻度が高まって、細胞活性を高めることができます。

「こうした高性能の培養液や培養バッグのおかげで、細胞培養の生産効率をより高水準で維持できています」
これが培養バッグ。赤い液体が培養液で、この中でNK・T細胞が分裂し増殖していく。最終的に培養液を200ccまで容量を増やすが、容量が少ない段階ではバッグを折り曲げて使うことが可能。そうすることで、NK・T細胞の密度が高くなり、活性化が促進される。

最も細胞活性の高い状態で患者様のもとへ

最も細胞活性の高い状態で患者様のもとへ

細胞の数や活性レベルは、毎日培養士が顕微鏡で観察し、個数をカウントします。30ccの血液からは約1000万個のNK・T細胞が採れ、それを2週間で200倍の20億個にまでもっていきます。

「技術的にはNK・T細胞は1000倍まで増やすことが可能ですが、あえて200倍に抑えています。200~500倍が最も細胞の質が良く活性が高いからです。自分たちが培養したNK・T細胞が順調に増えて、患者様が元気になることが、この仕事の最大の喜びです」
容器の底の先端部分に、白っぽく沈殿しているのがNK・T細胞。NK・T細胞は採取から2週間かけて培養され、200倍まで増やされる。この写真は培養の最終段階のもの。わずか数㏄の沈殿物だが、ここに20億個ものNK・T細胞が生きている。

細胞が目標の数や活性レベルに達すると、再び培養液の濃度を低くして活性を鎮め、ベストな状態が保たれる。そうして、患者様のもとへ届けることができています。
当院で行っているがん免疫療法は、細胞培養の生産力が重要になるため、優秀な培養士の存在こそ治療の"鍵"となっています。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

詳しくはこちら

【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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