米FDAが、尿路上皮がんに抗PD-L1抗体を承認

米FDAが、尿路上皮がんに抗PD-L1抗体を承認

【2016年07月20日】
米国食品医薬品局(FDA)は、2016年5月18日、膀胱がんの一種である尿路上皮がんに対し、atezolizumabアテゾリズマブ(商品名:Tecentriq:テセントリク)を承認しました。アテゾリズマブは抗PD-L1抗体として初めてFDAに承認されたものです。アテゾリズマブ承認により、新たな治療法が患者様にもたらされることになります。

アテゾリズマブは、局所進行または転移性尿路上皮がん患者様のうち、プラチナベース化学療法中か治療後に増悪した患者様、または術前術後(ネオアジュバント、アジュバント)いずれかでプラチナベース化学療法を受けた後、12カ月以内に増悪した患者様の治療薬として承認されました。尿路上皮がんは、膀胱がんの中で最も多いがんであり、膀胱および尿路系に発生します。米国国立がん研究所(NCI)によると、2016年に新たに76,960人が膀胱癌に罹患し、16,390人が同疾患で死亡すると推定されています。

アテゾリズマブの安全性と有効性は、局所進行または転移性尿路上皮がん患者310人を対象とした単群の臨床試験で評価されました。この試験では、腫瘍が完全退縮CRまたは部分退縮PRした患者の割合を測定した客観的奏効率を見ました。試験ではまた、患者様の腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1発現の有無について、効果の違いを検討しました。全患者の解析では、14.8%で少なくとも腫瘍の部分退縮PRが認められました。また奏効期間の解析では、2.1カ月から13.8カ月以上効果が持続しました。PD-L1「陽性」と分類された患者様では、26%で奏効が示されました(PD-L1発現「陰性」では9.5%)。

アテゾリズマブ投与患者は、試験全体で奏効が認められましたが、PD-L1「陽性」患者で、より大きな効果が認められました。このことはPD-L1発現量により、アテゾリズマブ治療に反応する可能性が高い患者を特定できる可能性を示唆しています。そのためFDAは患者のPD-L1レベルを検出し、医師が判断するのに有用なベンタナPD-L1(SP142)アッセイ(Ventana PD-L1 (SP142) assay)も併せて承認しました。

アテゾリズマブの最も多い副作用は、疲労、食欲不振、吐気、尿路感染症、熱(発熱)、便秘でした。アテゾリズマブはまた、抗PD-1抗体同様、免疫系に対する重篤な副作用(「免疫媒介による副作用」として知られる)を引き起こす可能性があります。これらの免疫系の副作用は抗PD-1抗体同様、肺、大腸、内分泌、副腎系などの器官に影響を与える可能性があります。

FDAはアテゾリズマブについて画期的治療への指定、優先審査認定、および迅速承認を許可しました。これらは重篤な、または生命を脅かす末期の患者様に利益をもたらすため、可能性ある新薬の開発と審査を容易かつ迅速に行う特別な制度です。
アテゾリズマブは、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くGenentech社から、またコンパニオン診断薬であるベンタナPD-L1(SP142)アッセイは、アリゾナ州ツーソン拠点のVentana Medical Systemsから販売されます。いよいよ抗PD-L1抗体薬の登場です。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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