アクセルだけの免疫療法では、がんは消えにくい

アクセルだけの免疫療法では、がんは消えにくい

【2016年06月09日】
従来のがん免疫療法は免疫細胞の活性を高めるのみで、いわばアクセル作用だけ強化するがん免疫療法でした。私も1000例以上の経験がありますが、がんは縮小しても消えることはなかなか難しいのが現状でした。

昨年9月に私が考案し導入した「アクセル+ブレーキ療法®」は、導入後9カ月が経過し、300例以上の方に投与を行いました。その結果、確実にがんが消える可能性が高まっています。

新たに加えた「ブレーキがん免疫療法」とは何か。これは、2014年に発売された免疫チェックポイント阻害剤を併用するものです。免疫チェックポイント阻害剤で最初に発売されたのがニボルマブ(抗PD-1抗体)です。抗PD-1抗体とも言います。

がんを攻撃するT細胞の緊急停止ボタン

免疫細胞であるT細胞にはPD-1という免疫チェックポイント部位があります。私はよく電車などの「緊急停止ボタン」に例えて説明しています。T細胞はPD-1を刺激されると、緊急停止ボタンを押された電車のように、緊急停止してしまいます。

がんを攻撃するT細胞の緊急停止ボタン1

なぜ、こんなものがついているのかというと、免疫細胞は時々誤認して、自分の正常細胞を攻撃し、自己免疫疾患(代表例が慢性関節リウマチなど)を作ってしまいます。その際に緊急停止できるよう制御できる機能がついているわけです。このことは15年以上前からわかっていました。

がんを攻撃するT細胞の緊急停止ボタン2

近年、がん細胞がそのリガンドであるPD-L1という、いわば「緊急停止ボタンを押す腕」を作り、免疫細胞の攻撃を回避していることが分かりました。

この「腕」を使えなくする抗体がニボルマブ(抗PD-1抗体)なのです。イメージとすれば、「緊急停止ボタンのカバー」でしょうか。とにかくがん細胞が持つPD-L1を使えなくし、緊急停止ボタンを押させなくするものだと思って頂ければいいと思います。

がんを攻撃するT細胞の緊急停止ボタン3

がんを攻撃するT細胞の緊急停止ボタン4

ニボルマブ(抗PD-1抗体)により回避できない免疫細胞の攻撃

つまり、がん患者様にニボルマブ(抗PD-1抗体)を投与するとがん細胞は免疫細胞からの攻撃を回避できなくなります。ここに初めてがん免疫療法を強化するアクセル作用を加えると、効率よくがんが死滅する、という理論が「アクセル+ブレーキ療法®」の根幹です。
ここまでお読みになった方は、なぜアクセルだけのがん免疫療法が効きにくいのか、お気づきになったのではないでしょうか。

ニボルマブ(抗PD-1抗体)により回避できない免疫細胞の攻撃

つまり、どれだけアクセルをふかしても=免疫細胞を活性化させたとしても、がん細胞が持つPD-L1の腕を使えなくしない限り、免疫細胞は活性を失い停止してしまうのです。
それではがんが消える訳はありません。がん免疫療法において、アクセルとブレーキは併用しないと意味がないのです。

阿部医師のがん治療に対する想い

当院の300例以上の投与経験からさまざまながんに対し、多くの治験結果でもニボルマブ(抗PD-1抗体)単独で奏効率は20~30%、ニボルマブ(抗PD-1抗体)+イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)で50%~60%ですが、当院の がん免疫療法(NK・T細胞投与)+ニボルマブ(抗PD-1抗体)投与では約50%、がん免疫療法(NK・T細胞投与)+ニボルマブ(抗PD-1抗体) +イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)で約70~80%、がんが消える確率・可能性が高まります。

阿部医師のがん治療に対する想い

私ががん患者であれば、自分のがんを消してくれる可能性が50%以上ある治療がこの世に存在するのであれば、是非、やってみたいと思いますし、自分ががんになったら絶対にこの治療を受けます。そんな強い思いで皆さんにもいつもお勧めしています。

今後も、自分が考案したこのアクセル+ブレーキ療法®を、真摯に、そして地道に現在のたゆまない努力を継続しつつ、世に広げていきたいと思っています。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

詳しくはこちら

【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤

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