乳がんの抗がん剤治療で、最も苦痛なのは!?

乳がんの抗がん剤治療で、最も苦痛なのは!?

【2015年7月08日】
抗がん剤治療を受けた乳がんの患者様1400人以上を対象としたアンケート調査から、抗がん剤の副作用で患者様が最も苦痛と感じるのは、悪心や嘔吐ではなく、脱毛であることがわかりました。抗がん剤治療後、98%で脱毛を認め、脱毛現象が長期に及ぶ患者様もいるということです。

乳がんの抗がん剤治療で、これまで大きな問題だった悪心・嘔吐は、薬剤の改良等により近年大幅に改善されましたが、脱毛は依然として患者にとって大きな負担となっています。しかし、脱毛の経過や程度に関する研究は今までほとんど行われていませんでした。

今回のアンケートは、過去5年以内にアドリアマイシン系、またはタキソール系を含む術前後の抗がん剤治療を終了した乳がんの患者様を対象とし、初発の(再発ではない)方を対象としました。登録期間は2013年4月から10月までです。質問項目は、化学療法中に感じた苦痛、頭髪・眉毛および睫毛・爪の状況、ウイッグなどの装具についてなど、65項目でした。今回はこのうちの基本的事項に関して報告されました。

回答は、49施設に通院する患者1511人から得られました。このうち有効だった1478人のアンケートを対象に解析を行いました。

アンケート対象の平均年齢は54.7歳、抗がん剤終了後の期間は1年未満が28%、1-2年が24%、2-3年が19%、3-4年が15%、4-5年が14%でバランスがとれていました。抗がん剤のレジメンでは、アドリアマイシン系とタキソール系の併用が62%を占めました。

抗がん剤治療中に感じた苦痛の1位は脱毛で、「非常に苦痛」「ある程度苦痛」「やや苦痛」のいずれかと回答した患者様は90%を超えました。また、次の苦痛には、全身倦怠感、治療期間の長さ、病状や治療への不安、治療にかかった費用などが続きました。なお、悪心・嘔吐は14位で、制吐療法の進歩が反映された結果と考えられました。

脱毛に関しては、アンケート対象の98.4%が脱毛したと回答し、頭髪の脱毛開始時期は抗がん剤開始後、平均18日でした。また、対象の94%は、頭髪の80%以上が脱毛したと回答しました。なお、眉毛(まゆげ)、睫毛(まつげ)も80%以上脱毛したと回答したのは、ともにアンケート対象の約60%でした。

再発毛開始時期は、治療終了後平均3.4カ月でした。化学療法前の状態を基準として、どの程度頭髪が再発毛したかという質問に対しては、化学療法終了後2年で対象の約60%が80%以上の回復と回答しました。しかし、5年経過しても約5%の患者は30%以下の回復と答えました。発毛不良の部位は前頭部と頭頂部とする回答が多い傾向でした。

ウイッグ(かつら)については、全患者様の55%が毎日使用しており、購入数は1個と回答した患者が55%でした。なお、ウイッグの平均使用期間は12.5カ月でしたが、一部の患者様は数年経過してもウイッグが必要でした。ウイッグからの離脱は高齢であるほど困難となる状況も示されました。また、頭髪に関する情報については、看護師から得たと回答した患者様が最も多かったということです。

最も悩ましく、かつ長期にわたる副作用である脱毛に対し、医師をはじめとした医療者が真剣に取り組み、副作用のない免疫療法やウイッグなどの情報提供を細かくしていかなければいけない現実があると思います。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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