某大企業役員の薬剤密輸入問題とがん疼痛

某大企業役員の薬剤密輸入問題とがん疼痛

【2015年07月07日】
某大企業の前常務(6月30日に辞任)の米国人女性が、オキシコドンという鎮痛薬を密輸入して逮捕されました。報道ではこのオキシコドンを、米国では錠剤を砕いて鼻から吸引するとヘロインのような陶酔感があるため、米国では乱用が問題になっていると伝えています。とあるテレビ局の報道では、実際に鼻からストローで吸引している映像を流し、オキシコドンが覚せい剤と変わらないものであるかのような印象を与えました。確かに米国では、オキシコドンの乱用が問題になっており、報道の内容に大きな間違いはありません。

一方で、日本ではオキシコドンは医師の処方箋の下でオキシコンチン錠や、オキノーム散という商品名の内服薬として調剤され、がん疼痛と闘っている患者様の多くが使用しているれっきとした医療用薬剤です。適応はがん性疼痛のみです。つまり、日本ではがん患者様にしか、オキシコドンは使用されていません。

そして、今回の一連の報道で、オキシコドンを使用しているがん患者様がショックを受けています。患者様たちは、服用している薬が覚せい剤のような危険なものと知り、悲しい気持ちになっています。がんのしつこい痛みを取るために、オキシコドンは必要な薬と説明され、頭の中では理解していても、自分の飲んでいる薬がマスコミで覚せい剤のように悪者扱いされていては、それは動揺してしまいます。また薬物乱用者と自分は一緒なのか、とも思ってしまいがちです。

某著名人の報道の時もそうでしたが、医療用麻薬を適切に使用すれば、多くのがん患者様の疼痛を緩和でき、ストレスを軽減させ、免疫力を向上させられるといった情報がないため、このようなことが起こってしまうのです。いまだにマスコミの報道で、医療用麻薬の誤解と偏見を生んでしまっているのです。報道するならば、病院でのがん患者様への適正使用も伝えるべきなのです。

繰り返しますが、今回報道されたオキシコドンという薬は覚せい剤のようなものではなく、がんによる強い疼痛を緩和するためにがん患者様には必要な薬剤なのです。そして、医師がきちんと処方している限りは、依存や中毒を引き起こすことはありません。今回の報道でも、センセーショナルに乱用を謳うばかりでなく、がん患者様には必要な薬剤であり、適正使用されていることもきちんと報道してほしかったです。

まず、報道関係者は薬物乱用を報道する前に、医療用麻薬に関する理解が必要です。でないと、日本にいる全てのがん患者様とその家族が混乱し、苦しむ羽目になります。そのことで悩み、がん患者様の免疫力が下がってしまうこともあり得ます。そのようなことは絶対に避けなければいけません!公僕には、公平で正確な責任ある報道をお願いします。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年新宿血管外科クリニック 院長
2015年湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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