免疫療法の進化(2)
仕組みが異なる治療法を組み合わせてパワーアップ

■生き延びやすい環境を手に入れるがん細胞
がんと免疫。その関係は、まさにせめぎ合いの連続であり、免疫の仕組みを逆手にとったがん細胞が生き延びることに成功すると、がんの発病に至ります。この間の免疫反応のプロセスは、現在、大きく3つの段階をたどると考えられています。

<第1段階>
がん細胞の発生を樹状細胞などがいち早く感知し、その情報を受け取った攻撃役のT細胞の働きが功を奏している時期です(排除相)。

<第2段階>
生き抜くことに必死ながん細胞は、自身の存在を認識させないようにして、免疫細胞の攻撃をかわしはじめ、がん細胞は消えもしないが大きくもならない状態が続きます(平衡相)。

<第3段階>
その後、がん細胞は、免疫を抑える制御性T細胞や免疫チェックポイント分子を利用して、T細胞の働きを抑える環境をつくり出し、無限に増殖を始めます。(逃避相)。

■がんのたくらみを防ぐ「あの手、この手」
がんワクチン療法、エフェクター細胞療法、免疫阻害抑制療法(免疫チェックポイント阻害薬)などのがん免疫療法は、がん細胞の生き残りに有利になってしまう環境を変化させ、T細胞を元気づけ、人間の持っている免疫の本来の働きを取り戻させることを目的とした治療法です。

仕掛けの込み入ったドミノ倒しのように、がんと免疫の関係にはさまざまな物質がかかわり、同じ物質が場合によっては正反対の作用をもたらすこともあります。一筋縄ではいかないだけに、がん免疫サイクルの各ステップ(図1)に応じた治療のアプローチが必要です。

そこで、免疫チェックポイント阻害薬同士、免疫チェックポイント阻害薬とがんワクチン療法(ペプチドワクチン、ネオアンチゲンワクチンなど)、免疫チェックポイント阻害薬とエフェクター細胞療法(CAR-T細胞療法など)とをそれぞれ組みわせるといった免疫療法の併用が行われています。また、従来のがん治療の3本柱である外科治療(手術)、放射線治療、抗がん剤治療(細胞障害性抗がん薬、分子標的薬など)と免疫療法を組み合わせる研究も進められています。

2018年12月には、非小細胞肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体ペムプロリズマブと、従来の抗がん剤との併用療法が承認されました。2019年8月には、進展型小細胞肺がんに対する抗PD- Ⅼ1抗体アテゾリズマブと従来の抗がん剤との併用療法が承認されています。互いの弱点を補い、強みを活かせる選択肢が増えることで、がん患者の年齢や状態に合った治療が可能になると期待されています。

図1 がん免疫サイクルの仕組み

がん免疫サイクルの仕組み

玉田耕治, 医学のあゆみ. 2017; 263(1): 5-10より作成

《参考資料》
玉田耕治(著), やさしく学べるがん免疫療法のしくみ. 羊土社 2016

監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤

  • ニボルマブ(抗PD-1抗体)

    ニボルマブ(抗PD-1抗体)とは?

    がん免疫療法(NK・T細胞投与)と併用し免疫機能を高めるニボルマブ(抗PD-1抗体)の点滴治療

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  • イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)

    イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)とは?

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    ニボルマブ(抗PD-1抗体)+イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)併用がん免疫療法(NK・T細胞投与)でがんの治癒率が飛躍的に伸びる可能性があります。

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  • アクセル+ブレーキ療法®コラム

    免疫療法のアクセル+ブレーキ療法®とは?

    従来の各種免疫細胞の活性化(アクセル)と、がん細胞の反撃を抑える免疫チェックポイント阻害剤(ブレーキ)を併用した新しい治療

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