薬物療法の効果判定
抗がん剤の効果はどのように判定するの?

■効果判定の目安となる「奏効率」とは?
抗がん剤がどのくらい効くかは、患者やその家族にとって最大の関心事です。薬物療法の効果を判定する指標の1つに、「奏効率」があります。これは「治療後にがんがどのくらい縮小したか」を示す指標で、抗がん剤治療や放射線治療などの効果を判定する際に使われます。

固形がんの効果判定の基準になるのは、EORTC(欧州癌研究治療機構)などによる「RECISTガイドライン」で、日本でも用いられています。このなかで完全奏効と部分奏効を合わせたものが奏効率です(図1)。たとえば、奏効率40%の場合は、治療実施後にCT検査などの画像上でがんの大きさが30%以上縮小し、その状態が4週間以上続いた患者の割合が40%であることを意味しています。抗がん剤が承認される目安は、奏効率20%とされています。

図1 固形がん治療の奏効率

固形がん治療の奏効率

固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)-改訂版 version1.1-, 日本語訳JCOG版 ver.1.0 をもとに作成

■「生存期間」や「無増悪生存期間」も効果判定の目安に
薬物療法の効果判定では、「生存期間中央値」と「無増悪生存期間」も使われます。

生存期間中央値は、薬を投与されたすべての患者のうち、「半数の人が亡くなるまでの期間」を示し、延命効果を示す1つの指標となります。たとえば、「この新薬は従来の抗がん剤に比べ、生存期間中央値を3か月延長させた」といった場合、すべての患者の余命が3か月延びるわけではなく、半数の患者が亡くなるまでの期間が3か月延長する効果が認められたことを意味します。

無増悪生存期間は、治療中あるいは治療後に、「がんが進行せずに安定した状態である期間」のことをいいます。この指標は、進行がんの患者に対する治療効果をみるときによく使われます。治療によって生存期間が延長すればよいのですが、それが見込めないような場合、長期間にわたって病態が安定し、QOL(生活の質)を保った生活が送れることが非常に大切です。

■治療効果の目標となる「5年生存率」とは?
薬物療法に限らず、がんの治療を評価する指標としてよく用いられているのが「5年生存率」です。これは、「がんと診断されて5年後に生存している患者の割合」を示しています。たとえば、5年生存率が70%というのは、がんと診断された患者のうちの70%が5年後も生存しており、診断から5年までの間に亡くなった患者が30%であったことを意味しています。

5年という数字が目安になるのは、治療を開始後5年以内に再発することが多いからで、多くのがんでは、5年以上再発しなければ「治癒(がんが治った)」とみなされます。ただし、乳がんのように10年以上たってから再発するがんもあります。

がん医療の進歩もあり、がんになっても長く生きられるケースが増えています。最近は、10年生存率も公表されています。国立がん研究センターが2019年4月に公表した生存率データ1)によると、前立腺がん(95.7%)、甲状腺がん(84.3%)、乳がん(83.9%)などで10年生存率が8割を超えており、これらのがんでは「がん=死」という時代ではなくなっています。

1)国立がん研究センター, 全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について5年生存率、10年生存率データ更新
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/0409/press_release20190409_04.pdf

《参考資料》
固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン), 日本語訳JCOG版
国立がん研究センターがん情報サービス, 薬物療法(化学療法).
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy.html

監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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