免疫療法とは?(3)
T細胞、NK細胞などの力を活用する免疫細胞療法

■免疫の力でがんを退治
がん免疫療法の基本的な考え方は、誰でも自然にもっている、異物を排除しようとする力=免疫の力を利用して、がんを退治しようというものです。

代表的ながん免疫療法として、がんワクチン療法、免疫細胞療法、免疫抑制阻害療法(免疫チェックポイント阻害薬を使った治療)が挙げられます。

●がんワクチン療法
がんワクチン療法は、免疫療法のなかでは早くから研究が進められており、がん抗原(がん細胞だけがつくり出す物質)を体内に注入することで、人間が本来もつ免疫の力でがん細胞を攻撃、排除します。ワクチンとしては、樹状細胞ワクチン、がんペプチドワクチンなどが用いられます。

●免疫細胞療法
免疫細胞療法は、エフェクター細胞療法とも呼ばれています。がん細胞をみつけ出して壊す働きをする免疫細胞をいったん体外に取り出し、活性化させて数を増やしたうえで、再び体内に戻す治療法です(図1

図1 免疫細胞療法の仕組み

免疫細胞療法の仕組み

免疫細胞には、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞などがあり、これらの細胞を使う治療法がそれぞれ研究されています。

T細胞は、樹状細胞から伝えられた情報をもとにがん細胞を攻撃します。T細胞を使った免疫細胞療法には、アルファ・ベータT細胞療法、ガンマ・デルタT細胞療法などがあり、さらに細かい分類がなされて研究が進められています。

一方、NK細胞はT細胞と異なり、がん細胞をみつけ次第攻撃します。また、NKT細胞は、T細胞とNK細胞の特徴を合わせもっており、がん細胞を直接的に殺す働きに加え、体内にすでに存在している免疫細胞を活性化するという、強力な免疫反応増強作用を有しています。

免疫チェックポイント阻害薬の場合、体内に存在しているT細胞の数が少なかったり、その機能が低下していると、効果を発揮しにくいと考えられます。特に、がんが進行している場合、T細胞の減少や衰えが懸念されます。免疫細胞療法は、体外で活性化した免疫細胞を体内に送り込むため、体内に存在しているT細胞の機能が低下していても、効果が期待できます。

このような違いを踏まえて、がん細胞に直接ブレーキをかける免疫チェックポイント阻害薬と、免疫細胞の活性化というアクセル作用をもつ免疫細胞療法を組み合わせて使う治療法も行われます。

■話題になったCAR-T細胞療法とは?
免疫細胞療法のなかで、最近、大きな話題となった治療法に、CAR-T細胞療法があります。患者の体内からT細胞を取り出し、遺伝子医療の技術を用いてCAR(キメラ抗原受容体)と呼ばれる特殊なたんぱく質をつくり出せるようにT細胞を改変。この改変したT細胞を、特定のがん細胞と闘うのに十分な数まで増やし、体内に戻すというものです。

2019年5月、CAR-T療法の治療薬チサゲンレクルユーセルが承認されました。その効果が期待されていますが、現在(2019年7月末)、白血病やリンパ腫のごく一部の疾患にしか使えず、対象となる患者は限られています。

《参考資料》
玉田耕治(著), やさしく学べるがん免疫療法のしくみ. 羊土社 2016
日本臨床腫瘍学会(編), がん免疫療法ガイドライン 第2版. 金原出版 2019

監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

詳しくはこちら

【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤

  • ニボルマブ(抗PD-1抗体)

    ニボルマブ(抗PD-1抗体)とは?

    がん免疫療法(NK・T細胞投与)と併用し免疫機能を高めるニボルマブ(抗PD-1抗体)の点滴治療

    詳細はこちら

  • イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)

    イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)とは?

    CTLによるがん(細胞)の破壊する働きを助ける免疫チェックポイント阻害剤

    詳細はこちら

  • 2種類の免疫チェックポイント阻害剤の併用療法

    免疫チェックポイント阻害剤併用療法とは?

    ニボルマブ(抗PD-1抗体)+イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)併用がん免疫療法(NK・T細胞投与)でがんの治癒率が飛躍的に伸びる可能性があります。

    詳細はこちら

  • アクセル+ブレーキ療法®コラム

    免疫療法のアクセル+ブレーキ療法®とは?

    従来の各種免疫細胞の活性化(アクセル)と、がん細胞の反撃を抑える免疫チェックポイント阻害剤(ブレーキ)を併用した新しい治療

    詳細はこちら

湘南メディカルクリニックによる
あきらめないがん治療

まずは、お気軽にご相談下さい。

新宿
0120-798-300
両国
0120-279-219

通話無料 診療時間 AM10:00~PM7:00

よくあるご質問

  • 治療期間はどのくらいですか?
  • 副作用はありますか?
  • 費用はいくらかかりますか?

カテゴリー別【がん治療情報コラム一覧】

がん免疫療法(治療)の 湘南メディカルクリニック