がん薬物療法の作用・副作用
知っておきたい作用と副作用! 早めの対処が大切

■がんに使われる薬の種類と作用メカニズム
どんな薬でも作用と副作用があり、効果が高いとされる薬ほど副作用も強い場合があります。抗がん剤はその代表ともいえます。

現在、がんを「治す」ことを目的に使用されている薬は、細胞障害性抗がん剤、分子標的薬、ホルモン薬、免疫チェックポイント阻害薬の4種類です。種類によってがんを攻撃するメカニズムは異なり、それぞれ特有の副作用があらわれます。

■細胞障害性抗がん剤の作用と副作用
細胞障害性抗がん剤は、いわゆる従来の抗がん剤で、細胞そのものを傷つけたり、分裂を邪魔したりして細胞を殺す作用をもつ薬です。細胞への作用の仕方により、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗がん性抗生物質、植物アルカロイド、プラチナ製剤などに分類されます。

難点は、がん細胞だけでなく正常細胞まで攻撃してしまうことです。副作用もそのために起こります。とくに影響を受けやすいのが分裂・増殖が盛んな細胞で、骨髄の中にある造血幹細胞、口腔や消化管の粘膜細胞、毛根の細胞(毛母細胞)などが該当します。

造血幹細胞に影響が及ぶと白血球が減って感染症にかかりやすくなりますし、口腔や胃腸の粘膜が障害されると口内炎や吐き気、下痢・便秘などが出てきます。脱毛するのも毛母細胞が影響を受けるからです。

■分子標的薬の作用と副作用
がん細胞に多くみられたり、がんの増殖に関係したりする分子(たんぱく質など)を標的にして攻撃し、がん細胞の増殖を防ごうという目的でつくられたのが分子標的薬です。

分子標的薬はがん細胞だけを狙って作用することから、副作用は少ないと考えられていますが、特有な副作用が起こります。たとえば、乳がんなどに使われる分子標的薬では、インフュージョン・リアクション(急性輸液反応)と呼ばれるアレルギー反応のような症状があらわれることがあります。また、大腸がんなどに使われるEGFR(上皮成長因子受容体)という分子を標的とした薬剤では、ニキビや皮膚の乾燥といった特有の皮膚障害がみられます。

■ホルモン薬の作用と副作用
乳がんや前立腺がん、子宮体がんでは特定のホルモンががん細胞の増殖にかかわっており、ホルモン依存性がんと呼ばれます。そのホルモンと反対の作用をするホルモン薬を投与することで、がんの増殖を防ぎます。ホルモン薬には、アロマターゼ阻害薬、抗エストロゲン剤、LH-RHアゴニスト製剤、黄体ホルモン剤、抗アンドロゲン剤などがあります。

ホルモン薬の副作用は細胞障害性抗がん剤や分子標的薬に比べて軽いのが特徴ですが、アロマターゼ阻害薬や抗エストロゲン剤では、ほてりやイライラなど更年期のような症状が出たり、抗アンドロゲン剤では男性ホルモンの低下によって性機能障害などが起こったりすることがあります。

■免疫チェックポイント阻害薬の作用と副作用
免疫チェックポイント阻害薬は、免疫に対するブレーキを外すことで免疫力を高め、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする治療です。

こうした作用メカニズムから、皮膚を始め消化器、呼吸器、甲状腺、下垂体などさまざまな臓器に副作用が発生する可能性があり、免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)と呼ばれます。重大な副作用として間質性肺炎、心筋炎、大腸炎などがありますが、irAEの頻度は比較的少なく、軽度であれば慎重な管理のもと、免疫チェックポイント阻害薬の治療を継続できるとされています

免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブを単独で投与した場合の主な副作用を表1に示します。

表1 ニボルマブの主な副作用(単独投与)

どのような薬剤を使用しても副作用は起こりえます。処方されたときは、主治医からよく説明を聞き、変化や異常を感じたらすぐに主治医に伝えるなど、早めに対処することが大切です。

《参考資料》
日本臨床腫瘍学会(編), がん免疫療法ガイドライン 第2版. 金原出版 2019
室圭(編), 別冊・医学のあゆみ がん免疫療法の躍進. 医歯薬出版 2018
国立がん研究センターがん情報サービス, 薬物療法(化学療法).
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy.html
畠清彦(著), がんを薬で治す 2013年版. 朝日新聞出版 2012

監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤

  • ニボルマブ(抗PD-1抗体)

    ニボルマブ(抗PD-1抗体)とは?

    がん免疫療法(NK・T細胞投与)と併用し免疫機能を高めるニボルマブ(抗PD-1抗体)の点滴治療

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