免疫療法とは?(2)
がんを退治する免疫細胞たちのチームプレー

■前線を受け持つのは自然免疫チーム
私たちの体内では、日々発生する数百個~数千個のがん細胞を排除しようと、闘いが繰り広げられています。闘いを担うのは免疫細胞たち。自然免疫*チームと獲得免疫**チームがそれぞれの持ち場で、ある者は見張り番、ある者は実行部隊、ある者は情報伝達や司令係として、決められた役割を果たしながら、実に巧妙な連携プレーによってがん細胞を退治し続けています。

*自然免疫:先天的に備わっている免疫
**獲得免疫:後天的に外敵(異物)の刺激に応じて形成される免疫

まず、前線で攻撃をしかけるのは、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、樹状細胞などからなる自然免疫チームです。これらの細胞たちは、異物=外敵をいち早く発見し、排除しようと見張っています。敵とみれば、丸ごと食べつくすのが、マクロファージと樹状細胞の得意技です。NK細胞は、「ナチュラルキラー」の名が示す通り、生まれながらの殺し屋で、体中を巡りながら、がん細胞を見つけ次第、持ち前の殺傷能力を発揮し、直接攻撃します。

■獲得免疫チーム発動に欠かせない樹状細胞
マクロファージと樹状細胞は、食べたら終わりではなく、がん細胞を消化・分解して、そのがん細胞に特有のたんぱく質(抗原)=目印を仲間に伝える(抗原提示)という重要な役目をそれぞれの方法で果たします。

マクロファージはその場にとどまり闘いを続けながら、力を貸してくれる仲間を呼び寄せます。一方、樹状細胞はT細胞が待機するリンパ節に移動します。この樹状細胞の行動が、獲得免疫チームを戦闘モードに切り換える重要なポイントとなります。

■敵の情報を得て、いよいよT細胞が出動
T細胞は、がん細胞に戦闘を挑む獲得免疫チームの中心となる司令塔です。ただし、樹状細胞からの情報(がんの目印=がん抗原)を手に入れない限り、敵を見分けることができません。そこで、まず樹状細胞ががん細胞の存在と特徴をT細胞に伝えます。情報を得たT細胞は、キラーT細胞(細胞障害性T細胞)とヘルパーT細胞に分かれて、がん細胞退治に乗り出します。キラーT細胞は実際の攻撃にあたり、ヘルパーT細胞は同じ免疫細胞であるB細胞に武器(抗体)を用意させたり、仲間を元気づける役目をもっています。

攻撃によって破壊されたがん細胞の残骸は、またしてもマクロファージと樹状細胞の餌食となります。そして、それが再び起点となり、上記のようながん細胞と免疫細胞の戦闘(免疫監視機構)のサイクルが繰り返されます(図1

図1 免疫2チームのW攻撃で、がんを退治

図1 免疫チェックポイント阻害薬の作用メカニズム

■解明が待たれる「腫瘍の免疫逃避」
これら一連のサイクルにおける情報伝達、免疫細胞の活性化といった現象は、サイトカインと呼ばれる化学物質をはじめとするさまざまな物質の分泌や相互作用など、非常に複雑な分子レベルの反応によってコントロールされています。

順調にサイクルが持続すればよいのですが、実際には狂いが生じ、サイクルをうまくかいくぐるがん細胞が出現してしまいます。この現象は「腫瘍の免疫逃避」と呼ばれ、現在、がんの治療法を考えるうえで、最も注目され、その詳細な解明が進められている分野の1つです。そうした研究のなかで生まれた免疫療法は、がん細胞の狡猾な生き残り戦略を打ち破るための有効な手段となっています。

《参考資料》
萩原清文(著), 山本一彦(監), 好きになる免疫学 第2版. 講談社サイエンティフィク 2019
岡三喜男(著), 読んで見てわかる免疫腫瘍学. 中外医学社 2017
日本免疫学会(編), からだをまもる免疫のふしぎ. 羊土社 2008

監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤

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