免疫チェックポイント阻害薬とは?
免疫のブレーキを外して、がんに立ち向かう

■日本で初めて承認されたがん免疫療法
免疫チェックポイント阻害薬という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。免疫チェックポイント阻害薬は、がん免疫療法では唯一承認されて、健康保険が使えるようになった治療薬です。免疫に対するブレーキを外すことで免疫を高め、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする働きをしています。

2014年、ニボルマブが日本で初めて、がんの免疫治療薬として承認されました。以来、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブの6剤が承認されています(2019年5月末現在)。これらはすべて免疫チェックポイント阻害薬に分類されるものです。

がん免疫療法では、以前からインターフェロンなどのサイトカイン療法、がんワクチン療法、免疫細胞療法などが試みられてきました。これらは体の中のがんを攻撃する免疫を強める方法です。車にたとえればアクセルをかける治療法です。

一方、私たちの体には自己の免疫にブレーキをかける仕組みも備わっています。免疫が強くなりすぎると自身の細胞などを攻撃する自己免疫疾患や、本来は異物ではない花粉や食物などに過剰に反応するアレルギーといった病気を引き起こすことがあるからです。免疫チェックポイント阻害薬は、このブレーキを外すことで免疫を強め、がんを攻撃する治療法です。

アクセルをかける方法で治療効果が認められたのは一部の患者だけでしたが、ブレーキを外す免疫チェックポイント阻害薬は臨床試験で多くのがんに効くことがわかり、一躍注目を集めることになりました。

■免疫のブレーキを外す仕組み
免疫にブレーキをかける仕組みの1つが、免疫チェックポイントです。チェックポイントは「検問所」を意味します。免疫の反応を進めるか、止めるかの判断を行う検問所の役割を果たしています。この免疫チェックポイントに関わる分子にはCTLA-4、PD-1などと呼ばれるたんぱく質があり、免疫細胞の表面に手を伸ばすかのように存在しています(これを受容体といいます)。 そこに特定の物質(リガンドと呼ばれます)が結合すると、スイッチが入るように免疫にブレーキがかかります。

免疫チェックポイントは本来、自己への不適切な免疫反応や過剰な炎症反応を抑制するための仕組みです。ところが、がん細胞はこの仕組みを悪用して、免疫の監視から逃れていることがわかっています。がん細胞は細胞表面にアンテナを出し、免疫チェックポイント分子の受容体に結合して偽りの情報を送り、免疫細胞からの攻撃を回避しているのです。わかりやすくいうなら、がん細胞が自分を攻撃されないようにするため、免疫のブレーキのスイッチを入れている状態だといえるでしょう。

がん細胞が免疫チェックポイント分子に結合しないようにすれば、がん細胞の周囲にある免疫細胞が、がん細胞を攻撃できるようになるのではないか──。そうした考えから開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

現在承認されている薬剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体という名称で分類されています。これらの薬剤(抗体)が免疫チェックポイント分子に結合すると、免疫チェックポイント分子の働きを阻害し(図1の赤い×印の部分)、免疫のブレーキを外して、 免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります(図1)。

図1 免疫チェックポイント阻害薬の作用メカニズム

《参考資料》
日本臨床腫瘍学会(編), がん免疫療法ガイドライン 第2版. 金原出版 2019

監修医師紹介

阿部 吉伸 医師

湘南メディカルクリニック新宿院

院長阿部 吉伸医師

詳しくはこちら

【備考】
日本外科学会永久認定医
日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員
日本脈管学会会員
日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員
日本再生医療学会会員
医学博士

経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年
~1994年
パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤

  • ニボルマブ(抗PD-1抗体)

    ニボルマブ(抗PD-1抗体)とは?

    がん免疫療法(NK・T細胞投与)と併用し免疫機能を高めるニボルマブ(抗PD-1抗体)の点滴治療

    詳細はこちら

  • イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)

    イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)とは?

    CTLによるがん(細胞)の破壊する働きを助ける免疫チェックポイント阻害剤

    詳細はこちら

  • 2種類の免疫チェックポイント阻害剤の併用療法

    免疫チェックポイント阻害剤併用療法とは?

    ニボルマブ(抗PD-1抗体)+イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)併用がん免疫療法(NK・T細胞投与)でがんの治癒率が飛躍的に伸びる可能性があります。

    詳細はこちら

  • アクセル+ブレーキ療法®コラム

    免疫療法のアクセル+ブレーキ療法®とは?

    従来の各種免疫細胞の活性化(アクセル)と、がん細胞の反撃を抑える免疫チェックポイント阻害剤(ブレーキ)を併用した新しい治療

    詳細はこちら

湘南メディカルクリニックによる
あきらめないがん治療

まずは、お気軽にご相談下さい。

新宿
0120-798-300
両国
0120-279-219

通話無料 診療時間 AM10:00~PM7:00

よくあるご質問

  • 治療期間はどのくらいですか?
  • 副作用はありますか?
  • 費用はいくらかかりますか?

カテゴリー別【がん治療情報コラム一覧】

がん免疫療法(治療)の 湘南メディカルクリニック