CAR-T療法の課題~費用、流通、工場、固形がんへの応用
【2017年10月10日】
ノバルティス ファーマ社の日本法人は2017年9月28日、米国で8月に承認取得したCAR-T細胞療法「キムリア(米国製品名)」について、効果がなければ薬剤費返金する制度を導入していると紹介した上で、日本で発売する際も償還価格は重要な課題になると指摘しました。
キムリアによるCAR-T細胞療法は、病院で患者の体内のT細胞を取り出し凍結保存して製造所に運び、がん細胞を攻撃するよう遺伝子改変を加えた上で、再び病院に運んで体内戻す治療法です。米国では治療1回当たりの価格を約5200万円(47万5000ドル)に設定しています。
また、米国では治療から1カ月を経ても効果が現れない場合はスイス・ノバルティス社が保険会社から薬剤費を受け取らない「アウトカムベースプライス」の仕組みを導入していると紹介しました。
キムリアは日本では臨床第2相(P2)試験の段階で、今後、承認取得に至ればノバルティスが厚生労働省医政局経済課と償還価格の交渉に入ります。ノバルティスの日本法人は「価格は今後の重要な課題だが、まだP2段階なので何とも言えない」と述べるにとどめました。
遺伝子改変を加える製造所は米国にあり、欧州のほかアジア地域にも設置する検討を進めています。日本に製造所をつくるかどうかについては「まだ何も決まっていないが、最優先されるのは品質の細かい要件を満たせることだ」と述べました。
日本のP2試験では、治験実施施設でT細胞を採取し空輸で米ニュージャージー州の製造所に運んで加工した上で戻しています。運搬は米国の輸送会社が担っており、日本の医薬品卸にCAR-T細胞の運搬の経験はありません。
国内で発売された場合の流通体制については、「CAR-T細胞を凍結保存し一定の温度を常に保つなど、細かい要件を満たした上で運ぶ必要があり、特約店(卸)が担えるのかどうかは今後の検討課題だ」と述べました。
CAR-T療法は、高額な費用と日本での加工工場建設、あるいは安全な流通体制、固形がんへの応用が課題となります。
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