ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)のP2試験、奏効率11.6% ASCOで発表、進行胃がんの2次治療で
【2017年06月09日】
米国イェール大がんセンターのチャールズ・フックス博士は、2017年6月4日(現地時間)、米国・シカゴで開催中の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で、米メルクの免疫チェックポイント阻害剤、ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)の臨床第2相(P2)試験「KEYNOTE-059」のコホート1の結果を発表しました。化学療法を2回以上受けたことのある進行・再発の胃がん、または食道胃接合部腺がん患者を対象にした単剤療法の試験で、主要評価項目の奏効率(ORR)は11.6%と有意な抗腫瘍活性を示したと報告しました。
試験には18歳以上の259人が参加し、76.4%が男性で、平均年齢は62歳でした。
奏効率を細かく見ると、CR(完全奏効)は2.3%、PR(部分奏効)は9.3%でした。フックス氏は、「進行胃がんは治療が困難であり、新たな治療の選択肢を特定する重要な試験結果だ」とコメントしました。またPD-L1の発現が陽性だった患者のORRは15.5%と高く、発現が陰性だった患者は6.4%と低かったようです。フックス氏は「PD-L1陽性の患者でORRはより高かったが、陰性の患者でも抗腫瘍活性の反応が観察できた」と述べ、進行胃がん患者にとって期待の持てる治療選択肢になると言い、発表を締めくくりました。
米メルク社は5月23日に同試験結果を根拠とした適応追加の承認申請が米FDA(食品医薬品局)に受理されたと発表しています。
日本では胃がんの適応追加はP3試験の段階にあります。また、先駆け審査指定制度の対象ともなっていますが、昨年末に競合品である小野薬品工業のニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)が先に申請を済ませています。抗PD-1抗体薬の胃がんへの適応拡大もまもなくであると思われます。
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監修医師紹介
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湘南メディカルクリニック新宿院
院長 阿部 吉伸 医師 -
【備考】
日本外科学会永久認定医 日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医 日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員 日本脈管学会会員 日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員 日本再生医療学会会員 医学博士
経歴 | |
---|---|
1990年 | 国立富山医科薬科大学医学部卒 富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科) |
1994年 | 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士 胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科) |
1992年~1994年 | パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学 |
1997年 | 国立金沢病院心臓血管外科勤務 |
2004年 | パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。 |
2012年 | 新宿血管外科クリニック 院長 |
2015年 | 湘南メディカルクリニック新宿院 院長 株式会社シーオーメディカル顧問医就任 |
当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤
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