抗PD-L1抗体アベルマブが国内で申請
【2017年03月08日】
メルクセローノとファイザーは2017年3月7日、共同開発している抗PD-L1抗体アベルマブ(遺伝子組換え)について、メルケル細胞がん(MCC)の適応で製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表しました。抗PD-L1抗体の国内申請は、非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で行った中外製薬のアテゾリズマブに続いて2製品目です。
MCCは、神経終末部近くの皮膚最表層にできるがん細胞に由来する希少かつ進行性のがんで、国内患者は100人未満しかいません。現状では治療薬はなく、同剤はMCCの適応で希少疾病用医薬品の指定を受けています。
今回の申請は、少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性MCC患者88例を対象に、日本も参加して実施した臨床第2相(P2)試験(JAVELIN Merkel 200試験)の結果に基づくものです。この試験では、2次治療以降の治療としてアベルマブを投与した患者の奏効率は31.8%でした。
独メルクと米ファイザーは、転移性MCCをはじめ、乳がん、胃がん、NSCLCなど15以上のがん種をターゲットに同剤の臨床試験を実施しています。ファイザーによると、国内ではNSCLC、胃がん、腎細胞がん、膀胱がん、卵巣がん、頭頸部がんの6つのがん種がP3試験段階にあります。いよいよ抗PD-L1抗体も市場に広がりを見せています。
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監修医師紹介
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湘南メディカルクリニック新宿院
院長 阿部 吉伸 医師 -
【備考】
日本外科学会永久認定医 日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医 日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員 日本脈管学会会員 日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員 日本再生医療学会会員 医学博士
経歴 | |
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1990年 | 国立富山医科薬科大学医学部卒 富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科) |
1994年 | 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士 胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科) |
1992年~1994年 | パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学 |
1997年 | 国立金沢病院心臓血管外科勤務 |
2004年 | パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。 |
2012年 | 新宿血管外科クリニック 院長 |
2015年 | 湘南メディカルクリニック新宿院 院長 株式会社シーオーメディカル顧問医就任 |
当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤
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ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)
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がん免疫療法(NK・T細胞投与)がん免疫療法(NK・T細胞投与)と併用し免疫機能を高めるニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)の点滴治療
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