ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)とイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)の併用療法が、大腸がんで高い奏効率
【2016年06月13日】
治療歴のある進行・再発の大腸がん患者を対象に行った、ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)の単剤療法と、イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)との併用療法の有効性や安全性などを評価した国際共同臨床第2相試験、CheckMate-142の中間解析結果が、2016年6月5日、米シカゴで行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されました。主要評価項目とした治験担当医師の評価による奏効率(ORR)は単剤療法群で25.5%、併用療法群で33.3%と高い率を示しました。
CheckMate-142試験は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を示す患者を含む試験です。マイクロサテライト不安定性(MSI)とは、DNAの複製の際に生じる塩基配列の間違いを修復する機能の低下により、マイクロサテライト反復配列が腫瘍組織において正常組織と異なる反復回数を示す現象です。
マイクロサテライト不安定性(MSI)は、リンチ症候群以外の散発性大腸がんでも10-20%程度に認められますが、リンチ症候群(HNPCC)の患者では80-90%と高頻度に見られます。
MSI-H患者について、ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)(3mg/kg)を2週ごとに投与する単剤療法群と、ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)(3mg/kg)とイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)(1mg/kg)を2週ごとに投与する併用療法群とで、奏効率ORRや無増悪生存期間(PFS)などを評価しました。6カ月時点での無増悪生存期間(PFS)は単剤療法で45.9%、併用療法は66.6%でした。
この試験から、ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)とイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)の併用療法が、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を示す大腸がんにも非常に高い効果があることが分かりました。これにがん免疫療法(NK・T細胞投与)がん免疫療法(NK・T細胞投与)を加えると、より高い効果が得られ、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を示さない患者にも一定の効果を得られるものと思われます。
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監修医師紹介
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湘南メディカルクリニック新宿院
院長 阿部 吉伸 医師 -
【備考】
日本外科学会永久認定医 日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医 日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員 日本脈管学会会員 日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員 日本再生医療学会会員 医学博士
経歴 | |
---|---|
1990年 | 国立富山医科薬科大学医学部卒 富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科) |
1994年 | 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士 胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科) |
1992年~1994年 | パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学 |
1997年 | 国立金沢病院心臓血管外科勤務 |
2004年 | パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。 |
2012年 | 新宿血管外科クリニック 院長 |
2015年 | 湘南メディカルクリニック新宿院 院長 株式会社シーオーメディカル顧問医就任 |
当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤
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