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尿一滴でがんがわかる!?

尿一滴でがんがわかる!?

 

【2015年7月10日】

線虫が尿でがんかどうかを識別できるという研究結果が発表されました。好きな匂いに近寄る習性を利用したもので、早期の発見も可能だということです。
研究はまず試しに、線虫の一種「シーエレガンス」を入れたシャーレに、がん細胞の培養液を垂らしてみました。すると、多くの線虫が、がん細胞に寄っていったそうです。正常な細胞を使った場合や、嗅覚に異常がある線虫ではがん細胞に近寄らなかったため、においに反応していると考えられました。

次に、がん患者の血液や尿に対する反応を調べました。血液には特別な反応は示しませんでしたが、尿には近寄っていきました。また、健康な人の尿からは離れていきました。線虫には、においを感知する2種類の嗅覚神経細胞があることが知られていますが、これらの細胞が、がん患者様の尿に強く反応することも分かりました。線虫は細菌類を食べますが、患者様の尿に近寄るのは、餌のにおいに似ているからではないかという推測もあります。

嗅覚が人間の100万倍以上とされる犬では、2000年以降、訓練によってがんのにおいをかぎ分けられることが報告されてきました。がんの種類によって特有のにおいがあると考えられており、二つのがんで尿からにおい物質を見つけたという研究結果もあります。ただし、犬が感知しているにおい物質と、線虫が反応している物質が同じかどうかは分かっていません。

シーエレガンスの的中率はどのぐらいなのか、がん患者様と健康な人、計242人の尿に対する反応を調べたところ、がん患者様24人中23人をがんと判定し、判定の確率は95.8%でした。このうち12人は早期がんでしたが、すべてがんと判別できたそうです。一方、健康な人218人を「がんでない」と判定した確率も95%でした。犬と比べても遜色がない結果でした。

尿の濃度は10倍に薄めるのが最適です。尿は1滴あれば検査でき、胃がんや膵臓がんなど、調べた範囲ではいずれのがんも見つけられるそうです。線虫は1匹が約300個の卵を産み増殖が早く、凍結保存も可能で扱いやすい生物です。今後は実用化を目指すとともに、がんのにおい物質の特定や、線虫ががんのにおいを感知する仕組みの解明などにも取り組むということですが、いろんな検査法があるのですね。興味深い研究です。

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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師
湘南メディカルクリニック新宿院
院長 阿部 吉伸 医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医  日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医  日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員  日本脈管学会会員  日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員  日本再生医療学会会員  医学博士
経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年~1994年 パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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