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乳がんの抗がん剤耐性メカニズムにマイクロRNA「miR-27b」が関与

乳がんの抗がん剤耐性メカニズムにマイクロRNA「miR-27b」が関与

 

【2015年6月24日】

国立がん研究センター(NCC)は6月15日、乳がんにおける抗がん剤耐性に、特定のマイクロRNAが関与していることを世界に先駆けて明らかにしたと発表しました。

同研究成果は、「Nature Communications」(電子版)に6月12日付けで掲載されています。
乳がん細胞が、抗がん剤耐性を獲得する詳細なメカニズムはいまだ解明されていません。研究グループは、これまでにも乳がんの細胞株を用いた研究から、抗がん剤「ドセタキセル」の耐性化に伴い、複数のマイクロRNAに発現低下あるいは欠損が生じることを発見していました。

今回の研究では、このマイクロRNA群の中で、多くの乳がんで染色体異常が報告されている第9番染色体に位置する「miR-27b」というマイクロRNAに注目して解析を行いました。その結果、乳がん細胞においてmiR-27bの発現低下あるいは欠損によりドセタキセル耐性が誘導されることを世界で初めて明らかにしました。
また、miR-27bの発現が低下した乳がん細胞では、ドセタキセルなどの薬剤を細胞外に排出する分子(トランスポーター)の発現が亢進し、抗がん剤耐性が獲得されることも判明しました。さらに、miR-27bの標的分子であり抗がん剤耐性を誘導する分子として、糖尿病に関連する因子であるENPP1を同定し、乳がんの悪性度を亢進させる可能性があることも明らかにしました。実際、術後の乳がん組織においてもmiR-27bの発現低下とともにENPP1発現の亢進が認められたということです。

これらの結果から、miR-27bの発現を調べることにより、ドセタキセルに対する感受性の変化を予測しながら治療を行うことができることが分かりました。さらには、miR-27bのミミック(内在性のマイクロRNAを模倣した機能性核酸)とドセタキセルを併用した新規治療法で、薬剤耐性の克服にも期待が持てるということです。また、miR-27bの発現制御機構をより詳細に検討することで、がん幹細胞集団が形成される分子メカニズムの解明にもつながると考えられています。

今回の発見は、抗がん剤の耐性克服や、がん幹細胞を標的とした創薬においても重要であるだけでなく、このようなマイクロRNA研究が、疾患を超えて、治療開発に重要な標的分子を明らかにするのに有用であるとしています。
マイクロRNAは腫瘍マーカーとしても注目されており、1滴の血液で13種類のがんが発見できる画期的診断法として期待されています。これらの情報は、また、別のコラムでご紹介したいと思います。


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監修医師紹介

阿部 吉伸 医師
湘南メディカルクリニック新宿院
院長 阿部 吉伸 医師

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【備考】
日本外科学会永久認定医  日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医  日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員  日本脈管学会会員  日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員  日本再生医療学会会員  医学博士
経歴
1990年 国立富山医科薬科大学医学部卒
富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科)
1994年 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士
胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科)
1992年~1994年 パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学
1997年 国立金沢病院心臓血管外科勤務
2004年 パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。
2012年 新宿血管外科クリニック 院長
2015年 湘南メディカルクリニック新宿院 院長
株式会社シーオーメディカル顧問医就任

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