手術でがんが、ばら撒かれる!?
【2015年6月04日】
実は、がんの手術では、どうしてもその操作上、がんがこまかく裁断されてしまい、ちぎれてしまった微小がん細胞が、血中に入り込むケースがあります。これは他臓器への転移の要因になっていて、1個でも転移があれば、手術は失敗ということになります。何もしなければ術後は再発が必至ですから、これは大問題です。
この肺がん手術後の転移を、心臓ホルモンの投与で抑えられるかどうかを調べる臨床研究が9月から、大阪大など全国10か所の病院で始まります。研究を企画した国立循環器病研究センターが6月1日に発表しました。
同センターの研究チームは、心臓から分泌されるホルモンである心房性利尿ペプチド(ANP:商品名ハンプ)を投与したがん患者で、術後の転移が少ないことを確認しており、さらに多くの患者による臨床研究を計画しました。
臨床研究は、肺がんの手術を受ける患者500人を対象にし、2017年3月まで参加を受け付けます。手術直前から3日間ホルモンを点滴で投与する患者と、投与しない患者に分け、2年間の転移の割合を比べます。阪大のほか北海道大や東京大などでもこの治験は行われます。
ハンプには強心作用と利尿作用がありますので、血中に混入したがん細胞を、尿中に強制的に排出させるのかもしれません。しかし、今まで、がんの手術で転移が促進されることはあまり知られていませんでしたし、外科医もあまり手術前には積極的に説明しませんでした。これに免疫療法を追加すれば、遠隔転移はより減少するものと思われます。
関連するコラム
-
某大企業役員の薬剤密輸入問題とがん疼痛 【2015年07月07日】
某大企業の前常務(6月30日に辞任)の米国人女性が、オキシコドンという鎮痛薬を密輸入して逮捕されました。報道ではこのオキシコドンを、米国では錠剤を砕いて鼻から吸引するとヘロインのような陶酔感… -
がん患者様の社会復帰 【2015年07月01日】
5years.org(ファイブイヤーズ・ドット・オルグ)というサイトをご存知ですか?がんを克服し、社会復帰された方を支援する情報サイトです。 がんには5年生存率という、患者様にとっては非常に嫌な言葉が… -
NK・T細胞の若返り!? 【2015年06月11日】
従来、老化の原因は、細胞の中で酸素からエネルギーを生産する、ミトコンドリア自体のDNAの突然変異と言われていましたが、ミトコンドリアは実は、細胞核の方のDNA(デオキシリボ核酸)の変化によって… -
がんはなかなか減りません! 【2015年05月22日】
国立がん研究センターは20日、がんによる死亡者数を2015年までの10年間に20%減らす国の目標について、達成は困難との見通しを明らかにしました。喫煙率の減少が目標に届かず、がん検診の受診率も伸び悩んでいることから…
監修医師紹介
-
湘南メディカルクリニック新宿院
院長 阿部 吉伸 医師 -
【備考】
日本外科学会永久認定医 日本胸部外科学会永久認定医
心臓血管外科専門医(2004~2009)
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医 日本癌治療学会会員
日本心臓血管外科学会国際会員
日本胸部外科学会正会員 日本脈管学会会員 日本静脈学会会員
日本血管外科学会会員 日本再生医療学会会員 医学博士
経歴 | |
---|---|
1990年 | 国立富山医科薬科大学医学部卒 富山医科薬科大学病院第一外科入局(胸部・心臓血管外科・一般消化器外科) |
1994年 | 国立富山医科薬科大学大学院卒・医学博士 胸部外科認定医取得(食道・肺・心臓外科) |
1992年~1994年 | パリ第12大学アンリーモンドール病院心臓外科留学 |
1997年 | 国立金沢病院心臓血管外科勤務 |
2004年 | パキスタン、トルコ、ミャンマーの日本大使館に外務省参事官兼医務官として8年間海外勤務。 |
2012年 | 新宿血管外科クリニック 院長 |
2015年 | 湘南メディカルクリニック新宿院 院長 株式会社シーオーメディカル顧問医就任 |
当院で受けることが出来る免疫チェックポイント阻害剤
-
ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)
ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)とは?
がん免疫療法(NK・T細胞投与)がん免疫療法(NK・T細胞投与)と併用し免疫機能を高めるニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)の点滴治療
-
イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)
イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)とは?
CTLによるがん(細胞)の破壊する働きを助ける免疫チェックポイント阻害剤
-
2種類の免疫チェックポイント阻害剤の併用療法
免疫チェックポイント阻害剤併用療法とは?
ニボルマブ(抗PD-1抗体)ニボルマブ(抗PD-1抗体)+イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)イピリムマブ(抗CTLA-4抗体)併用がん免疫療法(NK・T細胞投与)がん免疫療法(NK・T細胞投与)でがんの治癒率が飛躍的に伸びる可能性があります。
-
アクセル+ブレーキ療法®コラム
免疫療法のアクセル+ブレーキ療法®とは?
従来の各種免疫細胞の活性化(アクセル)と、がん細胞の反撃を抑える免疫チェックポイント阻害剤(ブレーキ)を併用した新しい治療

湘南メディカルクリニックによる
あきらめないがん治療
まずは、お気軽にご相談下さい。
よくあるご質問
- 治療期間はどのくらいですか?
- 費用はいくらかかりますか?
- 副作用はありますか?
カテゴリー別【がん治療情報コラム一覧】
-
【カテゴリー】
がん治療・免疫治療の現状 現代の癌(がん)治療の課題や実態をご紹介します。
また、癌(がん)と向き合い社会復帰や仕事の両立、私生活についても解説致します。 -
【カテゴリー】
がん治療・免疫治療最新情報 癌(がん)治療の最新情報を紹介致します。現在、開発中のワクチンや今まで治らなかった癌(がん)の新しい治療方法、研究中の進捗などをお届けします。 -
【カテゴリー】
がん治療・免疫治療の基礎知識 癌(がん)に対する基礎知識をご紹介します。私生活において、私たちが癌(がん)と向き合う為に是非、知って頂きたい情報です。 -
【カテゴリー】
がん治療・免疫治療のコラム 現代、なかなか減ることのない癌(がん)患者様。その背景には喫煙率が思いのほか減少できなかったという理由などが挙げられます。 -
【カテゴリー】
免疫チェックポイント阻害剤 従来の癌(治療)で行っていたアクセル(NK・T細胞の活性化)にプラスして、ブレーキ(がん細胞の抑制)を同時に行う画期的な癌(がん)治療です。 -
【カテゴリー】
がん治療・免疫治療の効果 癌(がん)治療は本当に効果があるのか、どの治療を行えば良いのか…頭を過ぎることは幾つもあると思います。実際にどの癌(がん)にどの治療が効果があったかデータをもとに解説します。 -
【カテゴリー】
がん治療最新情報【新薬】 国内未承認薬であるがん治療の新薬についてご紹介致します。湘南メディカルクリニックではがんに効果があるのに厚生労働省からの承認が下りていない新薬をいち早く日本でもお届けしたいと考えています。